528. 32年のサラリーマン生活振り返り23(モノ造り・お客さんとの切磋琢磨)
私は国内メーカーの技術者として約30年働きましたが、
会社の諸先輩方は勿論、お客様に随分と育てて頂きました。
先月、メーカー技術者時代にお世話になった会社の方と、
久し振りにweb会議をしました。
初対面の比較的若い中堅の方でしたが、
既に退職されたお世話になった方にも通じる、
がっしりした骨太の技術者で嬉しくなりました。
私は、日本のモノ造りの強さの一つに、
お客様とメーカーなど出入り業者の徹底的な切磋琢磨にあると実感しています。
安全性や品質に妥協せず、徹底的に必要な要求されるお客様
それに必死で応えるメーカー
必死で出したメーカーの答えを吟味し、
不足していれば当然NGを出すものの、
OKであれば最後は自社のリスクでお客様が世に出す
上記を繰り返すことで、お互いに強くなり、
日本全体の物造りのレベルが上がったと思います。
工場勤務時のクレームの際や、
お客様対応部門に異動した際の各種技術討議の場などで、
とても厳しく苦言を呈してくれたり、
一切の妥協をされず各種要求をされた方々の対応で、
大変貴重な知識、考え方を学ぶ事ができました。
当時は”何という無茶苦茶な事を、面倒な事を言われるのか?”
と感じた事も多々有りましたが、
お付き合いの中で、真剣さ、責任感の強さが判り、
そのお客様のフアンになって行きました。
多くのお客様に鍛えて戴きました。
お客様の中に、
昼間は血も涙もない正に鬼なのですが、
夜の会食時は、逆に全力で慰労して下さる需要家がおられ、
大好きになりました。
新人の事、職場の大先輩が、
「また**会社がとんでもない要求、指摘をして来た。大変だ!」
と言いながらも、
とても嬉しそうな表情をされており、
”変なおっさんだな”と思った事を思い出します。
私自身も、同じような場面を何度も経験し、
厳しくも真剣で責任感あるお客様を好きになりました。
対応に苦労しながらも、
喰らい付くなかで会社の技術力が上がり、
新しい製品を採用戴き、
それが普及して会社の利益にも繋がったと思います。